2021年6月28日月曜日

癌(がん)と鍼灸治療③

がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス(2016年版)』、

がんの補完代替医療 ガイドブック 第3版

の2つの医師の立場からみたがんに対する鍼灸治療の評価を見てきました。

デマや過剰広告が氾濫する中、論文によるエビデンスを基にした情報は有用であります。


ただ鍼灸を実際に行っている者からみるともう少し、評価されてもいいかなと思います。

当院の結論からすると「鍼灸でがんは治らないかもしれないが、がん患者には鍼灸治療が最も良い治療のひとつである」と考えます。

鍼灸治療は気血の流れを改善し、身体のバランスを整え、生命力高める治療です。

現代医学とは全然違う理論でアプローチします。

そこが現代医学では得られない効果を発揮するところでもあります。


昔の文献を見ると、鍼灸でがんを治療している記述も多く見られます。

もちろん治ったという記載もあります。

だからと言ってがんが鍼灸で治ると軽々しくは言えません。

がんは現代医学でも難病であるように、鍼灸でも難病です。

鍼灸で治ることもあるかもしれないが、たまたまだったのかもしれません。

鍼灸・漢方は経験医学です。

一症例としての経験であり、過大評価もまた逆に過小評価をするものでもありません。


ただ二つの文献からも、QOL(生活の質)の改善や化学療法の副作用の軽減に対して評価されています。

これは鍼灸治療が気血の流れを改善し、身体のバランスを整え、生命力を上げることが大きく貢献しているものと言えます。

西洋医学一辺倒の治療ではなく、鍼灸治療も同時に行うことにより、よりよい状態を保ち、また治癒も高めることができます。

がんにおいてももっと鍼灸治療を積極的に取り入れてほしいと思います。



がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス(2016年版)(PDFファイル/3.43 MB)編集 特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン作成委員会https://www.jspm.ne.jp/guidelines/cam/2016/pdf/cam01.pdf


がんの補完代替医療 ガイドブック 第3版【編集・制作】 厚生労働省がん研究助成金(課題番号:17-14) 「がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究」班 独立行政法人国立がん研究センターがん研究開発費(課題番号:21分指-8-④) 「がんの代替医療の科学的検証に関する研究」班 第3版https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/doc/pdf/cam_guide_3rd_20120220_forWeb.pdf

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